西洋美術を学ぶ会 【美術鑑賞】
                             

第14回講座開講!美術史家 佐藤よりこ先生

名作でたどる『美術史の旅』講座 第14回9月16日開講

第14回講座のテーマは、「美しきヴィーナスの誕生、古代の夢が再び甦る」初期ルネッサンス美術 

1453年の東ローマ帝国滅亡によって、それまで以上にアラビアの学問と古代アラビア語翻訳によってのみ残されていた古代の文献、とりわけプラトンやアリストテレスなどの貴重な哲学的文献がイタリアに入り、それらがルネッサンス文化に大きな影響を与えることとなりました。フィレンツェでは金融業などを営むメディチ家、中でもロレンツォ・ディ・メディチ(イル・マニーフィコ 豪華王) の時代には数多くの芸術家たちが庇護され、たくさんの芸術作品が制作されました。また、メディチ家によって育成された文化人サークル(アカデミア・プラトーニカ)は、サークルに出入りしていた美術家たち(ボッティチェリやミケランジェロ)に大きな影響を与え、哲学者マルシリオ・フィチーノによって提唱されたこうした人文主義的環境は、16世紀になってからヨーロッパ全土にその影響が広がり、絵画主題や美的趣味などさまざまなところに影響を与えてゆくこととなりました。
15世紀の芸術作品の傾向を、<ドゥッチオに連なる「線」を重んじた潮流>として2つの流れがあることをそれぞれの画家の作品を観ながらお話していただきました。
主な作品をプロジェクターの図像と共にご紹介します。

尚、次回第15回講座は12月23日(日)開催予定です。

サンドロ・ボッティチェッリ、プリマヴェッラ春(部分)、1478年頃、板、テンペラ、203×314 cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館

ポッライウオーロとヴェロッキオ

ドウッチオに連なる「線」を重んじた潮流
ギベルティ→アンドレア・デル・カスターニョ→ポッライウオーロとヴェロッキオ
の流れの画家達について

元々は金工師でもあり、彫刻において人体の解剖学的な表現が得意で、絵画においても同じように解剖学的に描いている。
●アントニオ・デル・ポッライウオーロ(兄)、ピエロ・デル・ポッライウオーロ(弟) ・・パノラマ的風景画も特長。フランドルの影響が見られる。
●アンドレア・デル・ヴェロッキオ・・アカデミックな線。自然研究に基づいた絵画表現。レオナルド、ボッティチェリの師匠。

1.ポッライウオーロ兄弟、聖セバスティアヌスの殉教、1475年頃、板、テンペラ、292×203cm、ロンドン、ナショナル・ギャラリー
2.左 アントニオ・デル・ポッライウオーロ、ヘラクレスとアンタイオス、1465-75年頃、ブロンズ、高さ46cm 、フィレンツェ、国立バルジェッロ美術館 右 アントニオ・デル・ポッライウオーロ、ヘラクレスとアンタイオス、1475年頃、板、テンペラ、16×9,5cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
3.アントニオ・デル・ポッライウオーロ、ヘラクレスとヒュドラ、1475年頃、板、テンペラ、17,5×12cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
4.アントニオ・デル・ポッライウオーロ、アポロとダフネ(部分)、1480年代、板、テンペラと油彩、29,5×20cm、ロンドン、ナショナル・ギャラリー
5.ピエロ・デル・ポッライウオーロ、貴婦人の肖像、1470年頃、板、テンペラ、187×118cm、ミラーノ、ポルディ・ペッツォーリ美術館
6.ピエロ・デル・ポッライウオーロ、トビアスと大天使ラファエル、1470年頃、板、テンペラ、187×118cm、トリーノ、サバウダ美術館
7.アンドレア・デル・ヴェロッキオ、トビアスと大天使ラファエル、1470年代、板、テンペラ、96,5×70,5cm、ロンドン、ナショナル・ギャラリー
8.左 アンドレア・デル・ヴェロッキオ、聖母子と二天使、1470年代、板、テンペラ、96,5×70,5cm、ロンドン、ナショナル・ギャラリー 右 レオナルド・ダ・ヴィンチ、カーネーションの聖母、1475年頃、板、油彩、62×47cm、ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク
9.左 ドナテッロ、ダヴィデ、1430-50年代、ブロンズ、高さ158cm、フィレンツェ、国立バルジェッロ美術館 中 アンドレア・デル・ヴェロッキオ、ダヴィデ、1470-75年頃、ブロンズ、高さ125cm、フィレンツェ、国立バルジェッロ美術館 左 ミケランジェロ、ダヴィデ、1501-04年、大理石、高さ410m、フィレンツェ、アカデミア美術館
10.アンドレア・デル・ヴェロッキオ、コッレオーニ騎馬像(部分)、1481-88年、ブロンズ、高さ395cm(基台を除く)、ヴェネツィア、サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ広場

フィリッポ・リッピ、ボッティチェリ

ドウッチオに連なる「線」を重んじた潮流
ギベルティ→フィリッポ・リッピ→ボッティチェリ
の流れの画家達について

●フィリッポ・リッピ・・優美な線、衣装や背景が同時代のものを取り入れている。
●サンドロ・ボッティチェリ・・リッピの影響を受ける。衣装や輪郭の線の美しさ。プラトンアカデミーに属し、古代の主題を視覚的に捉えて表現する(図像学的に新しい試み)

11.フィリッポ・リッピ、聖母子、1457年頃、板、テンペラ、直径135cm、フィレンツェ、ピッティ宮殿、パレストリーナ絵画館
12.左 フラ・フィリッポ・リッピ、聖母子、1452年頃、板、テンペラ、直径135cm、フィレンツェ、ピッティ美術館 中 ボッティチェリ、ヴィーナスの誕生、1485年頃、カンヴァス、テンペラ、172,5×278,5cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館 右 ギルランダイヨ、ヨハネの誕生(洗礼者聖ヨハネ伝)、1485-90年、壁画、フレスコ、250×550cm、フィレンツェ、サンタ・マリア・ノヴェラ聖堂、トルナブオーニ礼拝堂
13.フィリッポ・リッピ、ヘロデの宴(洗礼者ヨハネ伝)、1452-64年、壁画、フレスコ、プラート大聖堂
14.フラ・フィリッポ・リッピ、聖母子と二天使、1457年頃、板、テンペラ、直径95×62cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
15.サンドロ・ボッティチェリ、薔薇園の聖母、1468年頃、板、テンペラ、93×69cm、パリ、ルーヴル美術館
16.サンドロ・ボッティチェリ、マギの礼拝、1473年頃、板、テンペラ、直径131,5cm、ロンドン、ナショナル・ギャラリー
17.サンドロ・ボッティチェリ、マギの礼拝、1475年頃、板、テンペラ、111×134cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
18.サンドロ・ボッティチェッリ、プリマヴェッラ春(部分)、1478年頃、板、テンペラ、203×314 cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
19.サンドロ・ボッティチェリ、ヴィーナスの誕生、1485年頃、カンヴァス、テンペラ、172,5×278,5cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
20.左 カピトリーノのアフロディーテ、ローマン・コピー、原作紀元前3世紀-前2世紀、大理石、高さ193 cm、ローマ出土、カピトリーニ美術館 右 ジョヴァンニ・ピサーノ、「節制と剛毅」の寓意像(ピサ大聖堂説教壇部分)、ピサ
21.左 サンドロ・ボッティチェリ、西の風ゼフュロス、ヴィーナスの誕生、1485年頃、カンヴァス、テンペラ、172,5×278,5cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館 右 俵屋宗達、風神雷神図屏風、17世紀前半、紙本、金地、着色、154,5×169,8cm、京都、建仁寺
22.サンドロ・ボッティチェリ、マニフィカトの聖母、1480年代初め、板、テンペラ、直径143,5cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
23.サンドロ・ボッティチェリ、柘榴の聖母、1487年頃、板、テンペラ、直径143,5cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
24.左 サンドロ・ボッティチェリ、柘榴の聖母(部分)、1487年頃、板、テンペラ、直径143,5cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館 右 サンドロ・ボッティチェリ、ヴィーナスの誕生(部分)、1485年頃、カンヴァス、テンペラ、172,5×278,5cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
25.サンドロ・ボッティチェリ、誹謗、1490年代前半、板、テンペラ、62×91cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館


中野まなVIVAネット